仙北市西木町桧木内の畑中集落に伝わる仁王様。以前は毎年4月8日(旧暦)前後の休日、各家から一人ずつ出て仁王建て(衣替え行事)をしていました。場所は山の稲荷大明神境内です。今はお面だけが山の下の集落会館に…。
祀られています。人形道祖神は地域によって呼び方がさまざまですが、ここでは仁王様です(すぐ近くの吉田集落ではワラ人形様と呼んでいます)。役割は同じで、住民の息災と悪病退散を願って建てられます。私は40年ぐらい前に、畑中の仁王様の衣替えを取材したことがあって…。今も鮮明に記憶に残る光景は、しめ縄をなう作業の仕方です。ご神木の枝にかけた縄の両端に男衆がぶら下がり、時に身体を回転させて空中を舞い、そうやって少しずつ縄を太くして立派な太さのしめ縄を作る、躍動感にあふれた作業でした。
ところで集落会館には2つの面が祀られています。もともと仁王様の顔は目や口や鼻を俵に書いた簡単なものでした。ところが風雨で流れてしまうため、地元の建具師・橋本佐市さんが1923年に木製の面を製作。その後、70数年の歳月で風化が進んだことから、1996年、田口宗之助さんと小田島安治さんが新調したことが伝わっています(由来板より)。新旧の面が隣り合わせで見られる場所はそうありません。
※写真左は往時の仁王様、右は現在の集落会館の面。この写真の左が橋本佐市さんの面。右が田口宗之助さん・小田島安治さんの面。
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