元気主義
みつひろ
 

  柳葉敏郎さんトークショー
 
 
 
平成15年1月19日(日) 午後1時
西仙北町中央公民館
主催/すこやかサポートにしせん 西木村青年ボランティア『サラダハウス』

厳しい寒さも一休みといった感じの穏やかな日の午後、
柳葉敏郎さんをお招きして 「子育て談義『こんな時どうしてる?』」が西仙北町中央公民館にて開かれました。地元西仙北町出身の柳葉さんはサラダハウス代表の門脇みつひろ氏と角館高校の同期 生で、ちょうど前の夜に同町で行われたトークショーに出演されることを知った 門脇氏のたっての依頼で、柳葉さんは、帰京するまでのわずかな時間をこの子育て トークショーのために割いてくれたのだそうです。旧知の間柄のためか、進行役の門 脇氏との掛け合いは絶妙で、二人の対話だけはすべて秋田弁。参加者からの質問に答 えるというカタチで進んだ1時間のトークショーもアッという間に過ぎていきまし た。
それでは、当日お越しになれなかった方々のために、Web上でトークショーを再現し てみたいと思います。

場内には、子育て中のママさんたちを中心に地元・近隣の市町村の子育て支援グルー プなど大人こども合わせて100名ほどの参加者で、柳葉さんの登場を今か今かと待っ ていたところに定刻になり、柳葉さん、若いママさんたちからいっぱいの拍手を受け て照れながら登場。

柳葉
みなさん、こんにちは。子育てについて語るということですが、子育てでは 自分はまだまだ新人です。どうか、お手やわらかにお願いします。

Q-1 柳葉さんのお嬢さん・さくらちゃんとは、普段どんなふうに接していらっ しゃいますか?
柳葉さくらはもうすぐ3才になるんですが、「父親として、こうでなければ」と いう特別な思いを持って接しているとは思っていません。ただ、自分は小3の時に父 を亡くしたんですが、この父の思い出は、とにかく優しかったということ。酒もよく 飲んでましたけど…(場内笑)。自分が父に優しくしてもらったこと、そして、父が 生きていてくれたら自分にしてほしかったことをそのまま娘にしてあげようと心がけ ています。妻とも、娘が父・母それぞれの役割を果たす存在感を感じられる夫婦でい ようねとよく話し合っています。
門脇う〜ん、随分と大人になったよねぇ〜(場内爆笑)。
柳葉(苦笑しながら)そうは思ってないけど、自分たちが小さかった頃、まわり の大人によく言われていた「お前も大人になれば…」「親になってみれば…」という ことが、大人になって結婚して子どもが生まれて、「このことだったんだな」って、 やっと理解できるようになったことは確かだね。
門脇昔は、一緒に『スター誕生』に出たほどの仲なのに、君はいつの間にか大人 になってしまった…。
柳葉『スター誕生』か…、出たよな一緒に。で、僕は合格…
門脇俺は、不合格(場内大爆笑)。

Q-2 さくらちゃんが寝るときに、ご本を読んであげたりしていますか?
柳葉してません!(場内爆笑)。
娘は、僕がいると遊んでくれると思っちゃうよ うなんです。寝かせる時に行こうものなら、おめめパッチリになっちゃう。でも寝る ときには寝かせなきゃいけないですから、妻にも、あなたは来ないでって言われてま す(笑)。ただ起きている時にはできる限り一緒に体を動かして遊んだり、娘が選ん でくる本を読んで聞かせてあげたりするように心がけています。娘の最近のお気に入 りは「しまじろう」みたいですね。
門脇柳葉さんがドラマでセリフを話すような感じで…?
柳葉いや、それは違うよ(場内笑)。
でも、俺なりに感情を込めて読んでると思 う。
門脇あっ、そう。そうくると思ったから、ここに一冊の子供向けの本を用意した んだよ。どうだい、ここで読み聞かせを披露してくれないかい?(場内大拍手)。

柳葉さんは大照れの様子。でも、真剣な目に変わり、門脇氏が渡した本のさわりの部 分を、娘さんに読んであげるかのように優しく読んでくれた。


Q-3 柳葉さんのお子さんが、芸能界に入りたいと言い出したら…?
柳葉まず、そういう道を選ばないように育てます(場内大爆笑)。芸能界という 特殊な世界には興味を持たせないようにしたいですね。自分は、家で仕事の話はしな いようにしているんです。そうじゃなくても、周囲の方たちは自分が出てるテレビ番組見て、柳葉敏郎の娘っていう目で見てるワケだし、娘には必要以上にそのことを意 識させたくはないから。妻とも話しているんですが、娘には普通のお友だちと一緒に育っていける環境を作ってあげたいと考えています。芸能界とは無関係の家庭で育つ お友だちと、同じ時間に同じ経験をさせたいと。そのために、できる限りサポートし てあげたいと考えています。それでも娘本人が芸能界入りを望むならば、それは娘自 身の人生ですから仕方がないと思います。でも、そうなるようにとの応援はしたくな いですね。娘の将来への望みというわけではないんですが、自分の経験からですけ ど、何でもいいからスポーツを経験させたいなって思っています。スポーツには必ず ルールがありますから、スポーツを通してルールを守ることの大切さや、嬉しさ、楽 しさ、悔しさを感じることのできる子どもになってほしいと思っています。
門脇スポーツといえば、柳葉さんも高校生の頃スポーツしてましたよね?当時大 人気だったテニスを。短パン姿が目立ってましたよ(場内笑)。
柳葉テニスじゃなくて、あれは、庭球!自分は何でもカタチから入るタチだか ら…(場内大爆笑)。
門脇目立つといえば、文化祭のクラス対抗演劇でも、かなり…
柳葉昔っから目立つことが好きだったみたい(笑)。


Q-4 さくらちゃんは、柳葉さんと奥さんのどちら似ですか?
柳葉(言いにくそうに…)見た目は…、えーっとですねぇ…。あの、面白いこと があるんですよ。自分の3才の頃と妻の3才の頃の写真を見て二人で驚いたんです が、その頃の自分と妻はソックリなんですよ。ま、今となっては自分は美男子で、家 内は…(場内爆笑)。で、その写真を見ると、今の娘は自分とも妻とも似てるんで す。性格的には、非常に細かい(笑)。遊ぶときも、おもちゃをキッチリ並べて遊 ぶ。どっちに似たんでしょうねぇ〜。
門脇
僕が知ってる柳葉さんは、え〜っと、あんまし細かくはなかったと…(場内 爆笑)。
柳葉
そうだよね、自分にはない部分なのかも。でも、これは言えるんだけど、子 どもは大人の様子をホント、よく見てますよ。遊んでいる時の子どもの行動見てる と、「あっ、それ、俺とおんなじことしてる」って思うことがよくあるもんね。

ここで柳葉さん立ち上がり、同行のマネージャーさんに小道具としてカバンを持ってこさせ、
ショート演技スタート…。


柳葉
娘がカバン持って遊んでるじゃないですか、で、家内が「さくら、そろそろ お遊びやめてお風呂だよ」って言った瞬間娘は突然動きを止めて…、 カバンを持ち直立不動の柳葉さん、カバンを持つ手をパッ開いてカバンが落ちる。
柳葉…っていうような芝居をした時があってね(場内爆笑)、あれには自分も 笑っちゃいましたよ。確か、そういうシーンがあったんですよね娘の前で。う〜ん、 子どもって大人のすることよく見てるなぁって思いました。みなさん、子どもの前で は悪いことできないですよぉ〜っ(場内大爆笑)。
門脇そうそう、大人が思う以上に子どもってよく見てるよね、大人のこと。だか ら大人はもっとしっかりしないと…。


Q-5 さくらちゃんには、どんな女性になってほしいですか?
柳葉う〜ん…(頭を抱えて)、カッコよく聞こえるかもしれませんが、人の気持 ち、痛み、喜びがわかる子に育ってほしいと願っています。そうやって成長できるよ うに、自分も妻も接するように心がけています。
門脇柳葉さんは、東京での一人暮らしも長かったですから、単身状況して、人の ありがたみをしみじみ感じたこともあったんじゃないですか?
柳葉そうですね。でもそれは、今でもずっとおんなじですよ。家庭もそうだし、 仕事もそう。みんな周りの方々の理解や協力があって一つのことが出来上がってい く。テレビや舞台でも、他の出演者やスタッフがみんなで協力し合ってこそいいもの ができる。東京はそうではなくなっちゃってるんだけど、地元の、地域の人たちが もっともっと協力し合って生きることが必要だし越えていける。それが一つの生きる カタチだと思うんですよね。そういう関わりがなくなっているとしたら、ものすごく 残念なことですね。
門脇そうそう。それがこれからの時代を担っていく子どもたちや若者を地域で育 てていくことには不可欠なことですよね。


Q-6 さくらちゃんはもうすぐ3才だそうですが、何をプレゼントしたいですか?
柳葉これはカッコつけて言うんじゃなくて、心からそう思ってることなんです が、娘と一緒の時間をプレゼントしたい、モノじゃなくてね…。
父親としての一番大 切なことって、子どものそばにいてあげて子どもの話をいっぱい聴いてあげたり話し たりすることだと思うんです。それが父親の子育てなんじゃないかな。子育てって言 うと母親の仕事みたいに考えられがちだけど、それは違う。子どもは、できる限り親 と一緒に過ごしたいんだと思います。
自分は早くに父を亡くして母は仕事を一生懸命 やってたから親子の時間が少なくて、ばあちゃんと過ごしてることが多かったんです。ばあちゃんにも優しくしてもらったけど、でもやっぱり寂しかった。だから、我 が子にはそういう寂しい思いはさせたくないんです。
自分は、たとえ一日に小一時間 だとしても、娘と二人っきりの時間を持つようにしてますし、そうできるように努力 もしています。そうすれば娘も楽しいし、普段子育てにかかりっきりの妻も少しは楽 なんじゃないかと…。
そういう娘や妻を見ることが自分にとっても安らぐし、父親としての自分も自覚できる。こういうことをよく友人と話すんだけど、みんな「そ りゃ、理想論だよねぇ〜」って言う。確かに世の中の父親は忙しいし、大変なんだと 思う。でも、それは、家庭や地域で子育てに参加してない大人の勝手な言い訳にしか 過ぎないと思うんですよ。自分にとって、これだけは絶対にやり続けたいことだと 思ってます。
門脇
ホント、いい話だよなぁ〜…。こういう父親が、柳葉さんのように超多忙に も関わらずこういう思いでいる父親がいることって、素晴らしいことだよねぇ〜。涙 が出そうだ。
柳葉泣くな、泣くな…(場内爆笑)


Q-7 秋田は、日本の中でも特に少子化が著しい地域です。
   柳葉さんは、この国のた めにあと何人お子さんを作りますか?(笑い)
柳葉少子化は、とても大きな問題ですよね。簡単に意見を述べられることじゃな い。でも自分は、子どもは多ければ多いほどいいものだと思ってます(場内大拍 手)。でもそれは国や町のためじゃなくて、子どもたち自身のために、と思ってるん です。子どもが力強く成長していくためにはいろんなことを経験しなければならな い。その経験は、多くの兄弟や家族、そして地域のお友だちや大人たちとのふれ合い の中で生まれるものだと思うんです。そのために、地域の子どもは多ければ多いほど 良いんだと思います。ちなみに我が家では、自分はあと二人ほしいと言い、妻はあと 一人…と言ってます(場内激励の拍手)。でもこれは一人でできることじゃないから (場内笑)。
門脇あっ、俺手伝うから!(場内爆笑)
柳葉げーっ、何言い出すんだよ、君は。見てるだけでいいから(場内大爆笑)。
門脇うちには代々伝わる「男女産み分けの術」という巻物があるんです。うちの 四人の子どもは(ここで、場内から「ぅお〜っ」と驚き?の声)、女・男・女・男だ よ。
柳葉それ、ぜひ貸して読ませてほしい〜(場内爆笑)
40過ぎて最近思うことがあるんです、次の世代に伝えるということがいかに 大事なことかと。自分たちが親や先輩に教わったことを、若者や子どもたちにしっか りと伝えていかなければいけないと思うようになったんですよ。親になって初めて、「親の身になってみろ」と言われたことの意味が実感としてわかるようになったんで しょうか。そこには、関わりやふれ合いといった生きていく上で最も基本的なものが あるんだと思うんです。伝えるっていうことは、子どもとも地域の若者ともしっかり と関わりを持たなければいけないんだから…。東京とか都会では、自分勝手な親が増 えてきてるように思う。子どもをほっぽらかして、自分の楽しみや欲求を満たすこと に魅力を感じているような…。そういう現状や事件の報道があると残念だし批判的に 感じる一方で、自分だけはそんな馬鹿な子育ては絶対にしないぞって思いをさらに強 くしています。今日お集まりの皆さん、同じ子育て中の親として、一緒に頑張りま しょう!(場内大拍手)


Q-8 柳葉さんにとって、「子育てで、これだけは母ちゃんにかなわない」という ことは?
柳葉(キッパリと)すべてです!父親ができる子育てなんて、母親に比べたら チッポケなことでしかないんです。こんなことがありました。家族旅行中に、さくら が病気になちゃった。医者に診せてもなかなか回復しないで、布団の上で苦しそうに していた。自分は、ここが父親の落ち着きのあるところの見せどころと、さくらの体 をさすってあげたんです。そしたら、さくらは「お母さ〜んっ」…(場内爆笑)。そ うなんですよ、父親なんてそんなもんなんだなって、その時納得しちゃった。でも本 当はね、俺はこんなにさくらを思ってるのにって思うと悔しくて涙が出たし、イジケ そうでしたよ(笑)。思い出してみると、自分が小さい時もそうだった。辛くてたま らない時は、なぜかおふくろを頼ってた。おやじも優しくしてくれてたのに、です よ。そう考えると、子どもにとって父親って、そこにいるという存在感みたいなもの が大きな安心感を与えられるのかもしれませんね。だから、「お母さ〜ん」って言わ れても、「お父さんもいるからね、安心してね」って言えるように普段から接してい るのが父親の役目なんじゃないでしょうか。
門脇いやぁ〜っ…、何と言ったらいいのか、こんな素晴らしい父親と今ここで同 じ空気が吸えていることに感謝したくなるほど感動してます、僕。
柳葉一日一回、何かに感動して生きていきたいというのが自分の願いなんです が、子育てって常に感動がある。子育て中って、毎日毎日いろんな問題が起きるじゃ ないですか。でもそれを、夫婦で協力しながら越えていくと、そこには大きな大きな 感動があるんだなって実感でしているんです。
門脇スゴイ!本当にスゴイ人だ柳葉さんって。いつの間にか、人間的に大きく成 長してる。
柳葉そんなことないけど…(と照れながら)、でもね、もしそうだとすると、そ れは自分が親になったからかもしれないな。親になって、自分なりに真剣に子育てと 向き合っているからと言えるのかも…。独身の頃は、親や家族のために結婚しなく ちゃって思ってた。結婚したら、妻のために幸せにならなきゃって思ってた。で、子 どもが生まれたら、子どものためにって思ったし今も思ってるんだけど、そう思って 努力することって、実は、自分自身を大きくさせることなんだよなって気付いた。だ から、親になるってことは、責任も大きい分、自分を成長させるチャンスに恵まれた ということなんだと確信しています。いや、親ってすばらしい役割だし、子育てって 感動の連続ですよ。

 

柳葉敏郎さんの感動的なお話に、
日頃子育てに追われる中で大切な何かを忘れてし まっているかもしれない子育てママ&パパには、きっと大きな勇気が与えられたに違 いない。

子どもは、多くの兄弟や家族、そして地域の人々と関わることでいろんな経 験ができ、それがたくましく成長することにつながる。
そして、親になるということ は、自分自身がさらに大きく成長できるチャンスに恵まれたということ。 こんな思い で子育てをするのなら、子育てがどんなにか意義深いものになるだろうか…。

昔の田舎での地域のふれ合いの大切さを肌で体験している柳葉さんの、
「子どもは家 族と地域が育てるもの」というお話は、門脇みつひろが進める「新しい町づくり」へ のテーマとピッタリ合致するものであった。
今後の門脇みつひろの活動に、ますます 目が離せなくなった。
(取材/コピーライト シスコSP 菊地 修)

   



 


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