2013年6月25日火曜日

6月定例会が終わりました

市議会6月定例会が終了しました。5月の角館の桜祭りを期間延長したことで、実行委員会への補助金追加を行った専決処分予算をはじめ、一体型庁舎議論で基本的なデータとなる各庁舎等の耐震度調査費用や風しんの予防接種費用を盛り込んだ追加提案の補正予算案など、全ての案件を可決・承認いただくことができました。

 今議会で特に議論となった幾つかを紹介します。「仙北市空き家等の適正管理に関する条例」は、所有者や管理者等が不明な状況の中では効果を発現できませんが、現状の法制度の中では、最高ランクの工夫がなされていると自負しています。空きや対策が一歩前進できると思います。「秋田スギバイオエネルギーセンター検証事業」は、バイオマス発電等の分野で日本を代表する見識者が協力をしてくれることになっています。6億円以上の巨費を投じて実現したプラントの将来を決断する素材となる検証事業です。覚悟をもって取り組みます。「固定資産税過誤納金事案に関する返還金」は、合併前の事務的ミスが原因で発生したことが分かっています。市民の皆さんには申し訳ない限りですが、予算を認めていただけたことで、精算をして出直すところまで進めることができました。再発防止などについては、類似事案について未だ調査中ですので、これらが終了した段階で再構築します。「耐震診断調査事業」は、老朽化が著しい角館庁舎を先に改修する考え方で準備を進めてきましたが、議会や市民の皆さんから、一体型庁舎の議論も同時進行で行うべきだとの意見が多数だったことから、その基本的なデータとなる現各庁舎の耐震診断を行おうというものです。診断は半年ぐらいの時間がかかる予定です。その間に、危険な角館庁舎には何らかの対応が必要だと思っています。

 その他、本当に活発な議論のあった議会でした。過去の事案に対応する議論と、将来に向けた建設的な議論とが混在したことも、今議会の特徴ではなかったかと思っています。

2013年6月23日日曜日

坂東眞理子先生をお招きして講演会

県立角館南校等学校の創立85周年記念講演会に参加。講師は昭和女子大学学長の坂東眞理子さんです。「女性が輝く未来のために」と題した講話でしたが、参加した在校生や地域の皆さんはもちろんのこと、全ての女性・男性に今をどう生きることが大切かを、静かに語りかけてくれた素晴らしいお話でした。

 写真は講演の直前に校長室で撮った記念写真です。左が青柳徹校長、中央が板東眞理子先生、右が駒草同窓会本部会長の草彅良子さんです。

 さて講話は、坂東先生の生い立ちから始まりました。富山県の田舎に4女で生まれたそうです。小さな頃から勉強も運動も一番でできる少女だったそうですが、周囲からは「女の子で残念。男の子だったらなあ」と言われ続けたとか。東大を卒業しても、男子は就職活動に苦労する時代ではなく、大学の先輩たちからの引き上げもあって、そんなに勉強ができなかった友人たちも一流企業へすんなりと就職。ところが女子は試験さえ受けさせてくれない…。この時、初めて女性は損だと感じたそうです。当時も公務員は男女平等と言うだけ入っていたので総理府へ入省。その後、オーストラリアのブリスベン総領事を務め、内閣府男女共同参画局長に。その間、結婚と出産、子育てを体験。常に何かを勉強し続ける気持を持っていたことが、現在の自分を形づくった要因と話していました。
 終盤には、在校生に向け「皆さんは90年の人生世代です。これからの70年以上をどう過ごすか、それは今をどう生きるかにかかっています。学校時代の成績や学校歴などは、この後の人生で大して役に立つものではありません。学校時代に大切なことは、まずは丈夫な体をつくること、そして勉強癖をつけることです。自分を好きになれるよう、何かしら自信の持てるものを早く見つけてください」とエールを送ってくれました。

2013年6月22日土曜日

中小企業家同友会でのお話

中小企業家同友会仙北支部総会(千葉薫代表)に参加。爽やかで熱心で、会自体のベクトルが「何があっても負けないで全員前進・地域前進」を満身で感じることのできる会です。今回は総会と言うことで記念講演が行われました。

 演壇に立っている方が講師の河野通洋氏。岩手県陸前高田市で八木澤商店を経営しています。取締役になったとき、「社員との信頼関係などクソ食らえ、数字をあげろ、実績を示せ」とハッパをかけたそうです。その後、中小企業家同友会に参加して、経営とは、社員との関係は、地域で仕事をする意味などなど、大いなる思考転換で大変身。学ぶ大切さを何度も口にしていました。震災で社屋が流され、町が死に絶えようとしていたときに、仲間たちと「一社もつぶさせない」と市内を奔走し、自社の新築と地域の活力づくりを実現したお話は感動的でした。

 最後に宮沢賢治と新渡戸稲造の言葉を紹介いただきました。実は宮沢賢治の幸福感は、自分の幸福感と一致していています。「他人が幸せになれば、はじめて自分も幸せになれる」。東北人のDNAでしょうか。とても共鳴したのは新渡戸稲造の言葉です。紹介します。

いかに苦しいことがあっても、
ヤケになるのは短慮の極みである。
逆境にある人は常に、
「もう少しだ」と言って進むといい。
やがて必ず前途に光がさしてくる。
むしろ、苦しいときほど、懇切丁寧にことに当たるべきでしょう。

 ありがとうございます。

2013年6月19日水曜日

社長に酒井一郎氏を再任

今日の午前、北秋田市内で秋田内陸縦貫鉄道「第29回定時株主総会」が開催されました。ここで酒井社長より前期の経常損益が1億9、5052千円となった報告がありました。また「赤字額2億円以内の目標は皆さんのご協力で何とか達成できましたが、経費の削減は目標通り進められたものの、収入を計画通り確保できず、不足分を補助対象工事費等の増額で補充したカタチです。当社の自助努力で収益の改善にいたっていない状況です」との発言がありました。

 これらのことから今期は「引き続き赤字額2億円以内の達成と、安全輸送の確保」を死守すること、また収益の改善を進める具体的な手法について、『内陸線を地域の基幹産業にする』との構想に言及。地元にお金が落ちる工夫をする具体的な取り組みとして、
①内陸線資料館の開設(阿仁合駅無料休憩所に7月1日オープン)
②各駅のセカンドネーム命名(駅舎に表示)
  ・羽後太田駅→秋田駒ヶ岳眺望の駅
  ・八津駅→かたくり群生の郷の駅
  ・松葉駅→田沢湖に一番近い駅
 ・羽後中里駅→カンデッコ上げの駅
 ・上桧木内駅→紙風船上げの駅
 ・戸沢駅→県内一てっぺんの駅
③内陸線八景の選定
  などを説明しました。

 また全議案を議決後、臨時取締役会が開催され、酒井社長の再任が了承されました(任期は来年の6月まで)。自分も取締の一人です。経営の責任があります。自分も具体的な経営改善策を提案したいと思います。

恵みの雨でありますように

昨日からの雨にホッとしています。春先からの渇水は農作業にも影響し、田植えが大幅に遅れた地域もあります。また田植えはできましたが、その後の水管理で水無しの状態が続き、地割れした田んぼもありました。

 一方で田沢湖は全シーズンの中で、最も水量の多い季節を迎えています。この週末に田沢湖クリーンナップ・ボランティアが開かれます。市民ボランティアや県外からの参加者で、白浜を中心に流木除去作業などを行っていただく予定です。湖水が多いことを少し心配しています。だったら田沢湖の水を、水不足の田んぼに向けて放水すれば、一挙両得と思えるのですが…。

 水不足の田んぼは、田沢湖の水を放水しても届かない、水系が別の場所がほとんどで、毎年、山からの清らかな沢水で育つお米を生産している地域です。どうも山に変化が起きているような気がします。だって昨年度はあんなに大雪だったし、たっぷりと水を蓄えているのが当たり前なのですが、でも何だか違う。タケノコ採りに行った方々から、「今年は不作で、だから奧に奧に入っていく」お話しを聞きました。

 今降っている雨が、勢い余って水害などになりませんように、恵みの雨でありますように。

2013年6月17日月曜日

クニマスの県内孵化計画について

秋田県が山梨県からクニマスの卵を分けていただいて、北秋田市の県水産振興センター(内水面試験池)で孵化させる計画と聞き、とても驚いています。クニマスは日本国、いえ世界の財産ですから、そのスケールから言えば、県内で孵化できれば里帰りが叶ったと考えることもできなくはないでしょうが…。少なくとも仙北市内で、そのような寛大な気持でこのニュースを聞いた人はどれだけいるでしょうか。

 市に相談をいただけなかったことが、まず残念です。県と市がテーブルに着いた「里帰りプロジェクト」でも、このようなお話があったことを聞いていません。また県と市の協働プログラム「田沢湖再生プロジェクト」の中で、「田沢湖ナショナルトラストセンター(クニマス資料館)」の建築を目指していること、そこにクニマス水槽を設置し、田沢湖再生に向けた研究を進めようと言う事業計画を、県が知らないはずもありません。

 市民の方々からも数件お問い合わせをいただいています。田沢湖だけに、何か深い理由があるのかなあ。

仙北市企業等誘致調整会議を設置

本日朝の部長等会議で、「仙北市企業等誘致調整会議」を設置し、その要綱を整備しました。企業等の誘致実現までには、市役所の1部署で対応しきれない広範な課題の解決が必要で、今回、そのシステムを市役所横断で設置したものです。

 仙北市では現在のところ、10社以上の企業の方々と誘致や技術移転、また原料提供などについて協議を進めています。そんな皆さんに、仙北市の相対的な支援体制をアピールし、例えば税制の優遇や土地確保の手法、排水・電力対策、材料となる農産物の調達方法などについて、縦割り体制では届かない情報提供やサービスを行おうという狙いです。

 例えば現在、仙北市への進出を考える某食品製造・加工販売会社は、県内外に飲食店舗や販売店舗を展開しています。同社は仙北市内の遊休公共施設を活用した生産拠点づくりを希望していますが、財産管理を行っている総務部や、原料の調達について情報のある農林部、また遊休公共施設へのアクセス道については建設部など、様々な交渉先で時間を労しないよう、市役所が窓口を一本にして意見集約ができる組織です。
 企業誘致、確実に前進しています。

2013年6月7日金曜日

新たな出会いに感謝!です

昨日までの出張では、たくさんの出会いがありました。全国市長会では各地の街の市長と久しぶりの再会、また市長会終了後には都内や名古屋の企業3社を訪問して、新たな出会いの機会となりました。各企業の皆様は田沢湖・角館を良くご存じで、秋田に対する深い思いも感じることができました。

 特に、ヤマト運輸会長でヤマトホールディング社長の木川真さんは、乳頭温泉や駒ヶ岳登山のお話をしてくださいました。木川社長は「場所に届けるのではなく、人に届けるのです」と言い切った人。この言葉だけでも木川社長のお人柄や想いが充分に伝わってきます。その木川社長に、「仙北市の産物を沖縄空港経由で東南アジア、特に台湾に輸出することへのご指導を!」お願いしました。台湾では既に日本と同様、クロネコヤマトの宅急便サービスが展開されています。上海やシンガポールにも進出していて、その輸送ネットワークは私たちの予想をはるかに超えていました。とても親身にお話をお聞きいただいて感激しました。具体的な提案をするむねお約束を交わし、本社を後にしました。

 またある企業には、高齢者や身障者の方々も安心して観光ができるよう、介助器具やバッテリーカーの共同開発の提案、仙北市内の資源を活用した社員の方々の元気回復メニューの提供を、ある企業には健康を支える薬品生産、その先進事例などについての情報交換を行いました。どの企業でも熱心にお話をお聞きいただきました。さすがは世界に冠たる企業幹部の皆様です。
 またお会いしましょう。

※写真はクロネコ…です。

2013年6月6日木曜日

第83回全国市長会で

第83回全国市長会総会の様子です。会場は都内ホテルニューオータニ。全国の市数は812ですが、そのほとんどが参加する上に関係者なども相当数ですから、自分が知っている限りで、最大規模の会議です。

 最初に全国市長会の森民夫会長(新潟県長岡市長)から、「震災から2年が経過しています。被災地の市を仲間を、全国の仲間が何かしら支え合う、復興を祈るだけではなく、実際の行動を起こすことが重要です。国も今まさに時代を拓こうとしていますが、地方と国は信頼関係が全て。地方は現場力が命です」とのあいさつがありました。

 その後、安倍総理大臣や進藤総務大臣(代理)が来賓祝辞。安倍総理は、テレビで見るよりも細身なんだなあと言う印象。議案の審議に入る前、特別功労表彰がありましたが、ここで心に残るスピーチに出会うことができました。お話をされたのは静岡県裾野市の大橋俊二市長(写真)です。御年は75歳だとか…。「市長をさせていただいて5期20年が経ちました。その前は小児科医でした。あの時生まれた子ども達が、成人となる年になったんですね。辛いことも多かったのですが、市民・職員に支えられての毎日だったわけで、そのご褒美にこの受賞です。日本で一番幸せな市長になった思いです」。とても穏やかな口調で魅力的した。

2013年6月3日月曜日

市議会6月定例会「市政報告③」

《水道事業・温泉事業の決算概要など》
 水道事業会計及び温泉事業会計の平成24年度決算の概要について報告します。水道事業は、総収益が3億3,691万1千円、総費用が3億2,135万6千円であり、当年度純利益1,555万5千円となっています。前年度が143万4千円の損失計上となっていたことで、比較すると1,698万9千円の増、使用水量は前年度比3.0%の伸びとなり、震災前の使用水量へ回復基調となっています。給水人口の減少などにより、給水収益の伸びは期待できない状況にありますが、水道への加入促進と効率的な経営で健全な財政状況の維持に努めます。
 温泉事業は総収益3,487万4千円、総費用3,006万2千円であり、当年度純利益481万2千円となっています。前年度と比較すると純利益で209万5千円の減となりました。
 供給戸数が減少し、経営的に厳しい状況は続いていますが、効率的な経営と施設の維持管理に注意を払い、温泉の安定供給に努めます。

《病院の決算概要など》
 市立田沢湖病院では、外来患者数は、31,939人、前年度より934人の減少となりましたが、入院病棟は、これまでの「障害者施設等一般病棟」を継続し、入院患者の増加を図りながら経営改善に努めました。その結果、入院患者数は18,312人、前年度より834人増加し、病床利用率は83.6%と開設来の高水準となりました。しかし診療報酬改定の恩恵に預かることが出来ず、結果的に9,017万4千円の純損失を計上することとなりました。
 市立角館総合病院では、外来延患者数が14万4,063人、入院延患者数が8万4,420人と前年度より患者が減少しています。経常損益は、前年度と比較し3,533万5千円の増益となりましたが、524万2千円の純損失を計上することとなりました。
 事業収益において入院患者及び外来患者の減に伴い医業収益及び一般会計繰出金が減少となったものの、事業費用は職員給与費、経費削減に努めた結果、収支が改善されました。医療局では、人件費、事務費等の執行により、3,415万9千円の純損失を計上することになりました。医療局は経営上は直接収益をもたらす機関ではないので、このような決算となりますが、在り方について再考する必要性を痛感しています。
 なお前回定例会で報告してありますが、宮川病院事業管理者の転倒による胸椎圧迫骨折の回復状況は、先月の受診によると偽関節の疑いがあるとの診断を受け、残念なことに現在も日常的な勤務が困難な状況が続いています。一日も早くの回復を待ち望んでいますし、併せて通常業務への復帰を強く要請しています。
 また、田沢湖病院の医療訴訟に係る代位請求についてです。現在代理人弁護士が相手方保険会社の約款等を精査中で、今後の動向を見ながら対処していく予定です。
 また診療体制については、田沢湖病院では、3月末に退職した内科医師の後任に4月から同じく自治医科大学出身の秋田県職員内科医師が就任しました。市民に良質な医療を安定かつ継続的に提供するため、現在は3人の常勤医師に加え、秋田大学、岩手医科大学、県立脳血管研究センター、秋田赤十字病院をはじめ他の医療機関から幅広く非常勤医師の応援をいただき、外来診療の充実を図っています。また研修医派遣事業では、今年度も横浜市「けいゆう病院」から4人の研修医派遣が内定しています。
 角館総合病院では、平成25年3月末で医師4人が退職しましたが、4月から総合診療科1人、消化器内科2人、産婦人科1人、整形外科1人、精神科1人の6人の常勤医師が着任し診療にあたっています。

《市立角館総合病院改築事業について》
 市立角館総合病院の移転改築事業は、基本設計業務を「仙北市病院事業構想・市立角館総合病院基本設計策定委員会」及び「市議会市立角館総合病院建設に関する調査特別委員会」の意見を伺いながら進めています。また秋田県の新たな地域医療再生計画に事業提案していた、大曲仙北二次医療圏の災害拠点病院に指定されている角館総合病院の移転改築に伴う耐震化工事を含む「県地域医療再生計画案」が、秋田県医療審議会で承認され、厚生労働省へ提出されました。県では国からの地域医療再生臨時特例交付金額の内示を受けた後に計画案を再検討し予算化することとしています。

※写真は先日開催された田沢湖病院「健康まつり」。ホールでの音楽演奏も超満員に。

市議会6月定例会「市政報告②」

《国民健康保険事業について》
 国民健康保険事業については、「仙北市国民健康保険事業運営安定化計画」に基づき、財政の健全化を進めています。平成24年度の決算見込みは、医療費の伸びにより単年度収支では赤字決算となる見込みです。国民健康保険の課税方式については、昨年度来議会や国民健康保険運営協議会の皆様のご意見を伺いながら検討してきた、低所得者の負担となっている資産割の段階的な縮小に伴う国保税率の改正を今年度よりお願いすることにし、平成27年度には応能割を所得割に一本化したいと考えています。
 国保税率の改正にあたっては、市内の経済状況や市民の税負担感等を考慮し、現時点の試算で、一人当たり課税額が平成24年度とほぼ同額となるよう配慮します。なお税率の改正案については、5月29日「仙北市国民健康保険運営協議会」に諮問し、承認をいただいています。この承認に基づき、国民健康保険条例の一部を改正する条例を本定例会に提案していますので、ご審議をよろしくお願いします。

《仙北市空き家等の適正管理に関する条例について》
 所有者に空き家の適正管理を促しながら、市民や地域の協力のもとに実態調査を実施し、管理不全の場合は行政指導等を行うなど、市民と地域の安全・安心の確保と生活環境の保全を図ることを目的とした「仙北市空き家等の適正管理に関する条例」制定に向け、これまで協議検討をしてきました。この度条例案がまとまりましたので本定例会に提案をしています。ご審議をよろしくお願いします。

《風しんの予防接種助成について》
 今年に入り、首都圏を中心に風しんが流行しています。風しんは春から夏にかけて増加傾向にあり、県でも夏頃の流行が予想されます。風しんは妊娠中の女性が感染した場合、生まれてくる子どもが心臓疾患や難聴などの「先天性風しん症候群」にかかる恐れがあることから、予防接種の未接種が多い成人に対して、予防接種助成と勧奨を進め、感染防止を図りたいと思います。これに係る補正予算を本定例会最終日に追加提案したいと考え準備を進めています。ご理解をよろしくお願いします。

《ゴールデンウィーク等の人出の結果》
 角館の桜まつりは、開花後に訪れる観光客の安全等も考慮し、会期を7日間延長し5月12日までとしました。人出は昨年より19万6千人多い141万7千人となりました。このうち延長した期間に26万2千人が訪れています。
 刺巻湿原ミズバショウまつりは、気温が低く推移し見頃がゴールデンウィーク前からとなり、昨年と同じ11万8千人でした。
 八津・鎌足のかたくり群生の郷は、開園期間を4日間延長し5月10日までとしました。見頃がゴールデンウィーク過ぎになったこともあり、昨年より若干(260人)多い14,479人の人出でした。
 一般財団法人秋田経済研究所から、平成25年度「角館の桜まつり」期間中の観光客による経済波及効果の報告をいただきました。桜まつりの開催で、仙北市において観光消費額として69億円が発生し、それにより秋田県経済に(観光消費額も含めて)111億円の経済波及効果があったとの分析結果をお聞きしています。

《玉川温泉岩盤浴地祈念碑設置について》
 玉川温泉岩盤浴雪崩事故が発生して1年4ヶ月が経ちました。この事故により亡くなられた三人のご冥福をお祈りするとともに、二度と事故を起こさないよう、また自治体として安全の確保を最優先したまちづくりをする決意を刻んだ「鎮魂と誓いの碑」を、玉川温泉岩盤浴地に設置したいと考えています。本定例会に関係経費を計上していますので、ご審議をよろしくお願いします。

《田沢湖大沢地区コンクリートスロープ閉鎖について》
 田沢湖・大沢地区にあるコンクリートスロープは、以前「ディンギー」と呼ばれる小型ヨット普及のため作られた経緯があります。最近ではモーターボート、水上バイクなどが主に使用している現状で、水上バイクによる遊技エリアの逸脱や騒音、景観を阻害するという苦情が多く寄せられていました。そんな中で昨年7月に水上バイクによる死亡事故が発生し、尊い命が失われました。
 市や周辺住民等関係団体は遊技者に対し、ルールやマナーを守るよう協力をお願いしてきましたが、これも限界に至っています。これらの経緯、さらに市として度重なる事故やルール、マナー違反を重く受け止め、公園利用者や遊技者の安全確認、確保が困難と判断し、大沢地区のコンクリートスロープを閉鎖することとしました。

《(株)あきた食彩プロデュース6次化拠点施設整備》
 昨年10月に、地域経済の活性化と雇用の創出を目指して設立された「株式会社あきた食彩プロデュース」(株主:フィデアグループ・(株)パソナグループ・東日本旅客鉄道(株)・他)から、仙北市内に6次化拠点施設を建設したいとの構想が示されています。6次化拠点施設は、農業をベースとして「食・農・観」の連携拠点となるもので、「加工」「体験」「食」を提供する施設となっています。
 この度、6次化拠点施設の整備に際して、地元の意見・要望等を反映した施設とするため、「6次化拠点施設利用者協議会(仮称)」を設立する意向が同社から示され、関係者に対する事前説明会が開催されました。この協議会の構成員は、市内の生産者、民間企業者など10人程が予定されているとのことです。
 6次化拠点施設は、市内に平成26年10月のオープンを目指し、今年度は建設場所の選定を行うとともに、10月末まで基本構想及び基本設計を、その後実施設計に取り組むとの報告を受けています。

◇「仙北市体験ガイドマップと環境学習プログラム》
 これまでブログ・Twitter・Facebook等でオンライン公開してきた仙北市内の体験プログラムを、さらに整理して紙媒体での「体験ガイドマップ」を作成しました。
 インターネットによる体験プログラムの紹介に加え、旅行エージェントや学校等への直接商談の際に活用できる資料が揃ったことにより、秋田県内の学校はもちろん、誘致活動重点地域の仙台・宮城エリア、札幌・道南エリアの学校に対して、仙北市での教育旅行の実施を強くアピールできる体制が整いました。また体験型教育旅行等については、農家体験・自然体験・文化体験の3本柱を中心に受入れてきましたが、この度、これまで調査・研究を進めてきた「環境学習」を4本目の柱に加え、仙北市を「学びの旅」の場にしていこうと「環境学習研修プログラム:クニマスから学ぶ未来」を作成しました。
 仙北市には、クニマスの歴史、玉川ダムや豊富な再生可能エネルギー資源、秋田駒ケ岳火山防災ステーションなど、聞き・観察し・考えるための学びのタネがたくさんあります。こうした環境学習資源を活かし、この分野での教育旅行等を積極的に誘致していきたいと考えています。

《第2仙岩トンネルの実現に向けて》
  先月30日、国道46号「地域高規格道路」田沢湖・協和間整備促進期成同盟会総会、地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進期成同盟会総会が開催されました。角館バイパスの整備や各路線・各箇所の改良等で、実績を重ねる同盟会と認識をしています。
 今年の国道46号の期成同盟会総会では、刺巻地区の拡幅等による整備改良や、第2仙岩トンネルの実現に向けた行動を立ち上げたい旨を提案し、了承をいただきました。今後は岩手県側との連携を図り、両県議会、また国会議員の皆様への要望活動、市民フォーラムなどを開催し気運を高めたいと思います。議会の皆様の特段のご理解をお願いします。

※写真は改築が待たれる仙岩トンネル

市議会6月定例会「市政報告①」

本日から仙北市議会6月定例会が始まりました。午前に行われた市長の市政報告から、特徴のある項目について、ピックアップしてお知らせします。

《種苗交換会について》
 行事関係ですが、5月末までにポスターデザイン及びキャッチフレーズの募集を行っています。今後、選考委員会を開催し決定したいと考えています。また仙北市農商工フェアへの出展、及び一般出展の募集を6月5日から開始します。こちらも広報・ホームページ等に掲載しPRに努めています。次に会場関係です。主会場である市民会館周辺の配置について、当初は市民体育館で農産物展示を、生保内中学校体育館で関連事業を予定していましたが、主催者のJA中央会と協議したところ、会場の規模等を考慮すると農産物展示は生保内中学校体育館が望ましいとのことから、場所を変更して対応することで準備を進め、学校側にも了承をいただきました。次に、協賛第2会場(農業機械化ショー等)について、当初は田沢湖スキー場駐車場を計画しましたが、多数の来場者が予想されることから、さらなる駐車場の必要性を考慮し、スポーツセンター陸上競技場に会場を移動し、田沢湖スキー場の駐車場は一般来場者の駐車場として使用することで県と協議を重ねています。高野地区に造成予定の臨時駐車場については、生保内財産区管理会でご承諾をいただいたので準備を本格化します。

《角館庁舎の移転案について》
 5月21日から26日までの6日間、角館地区4会場、田沢湖、西木地区各1会場の計6会場で、角館庁舎の移転案に関する説明会を開催し、市民61人の参加をいただくことができました。
 説明会では、仙北市誕生後の一体型庁舎に関する協議経緯から、角館庁舎の現状と新角館庁舎の必要性、そして現在市で考えている移転案を説明させていただきました。市民の皆様からは、お金をかけずに移転すべきだ、新庁舎案が恣意的だとするご意見や、新たなご提案もいただきました。これまでの議員の皆様との協議の上、市民の皆様との意見交換をしたことで、一体型庁舎の議論の必要性を再認識できました。これらのご意見を踏まえ、今後の庁舎の在り方の基礎的なデータともなる庁舎等の耐震診断に着手したいと思います。国庫補助の導入手続き等も考慮し、関係の補正予算を今議会最終日に追加案件として提案する準備を進めています。

《バイオマス発電の検証事業について》
 秋田スギバイオエネルギーセンターは、平成22年4月開設以来、改造等も含め安定稼働に向けて努めてきましたが、計画通りの稼働が出来ていない状況で、皆様には大変なご迷惑をおかけしています。このことから、私は3月定例会の産業建設常任委員会の質疑の中で、施設のあり方を検証する必要があり、何らかの方向性を見いだしたい旨の発言をしました。後日、秋田県に対し専門家の紹介協力を依頼したところ、県外の国立大学教授3人の先生方を紹介いただきました。この度3人の先生方と連絡を取り合い内諾を得たところです。今後は本施設の稼働状況を検証し、将来にわたってのリスク分析等を行い、可能性や継続の是非について判断材料をまとめる検討委員会を庁内に設置したいと考えています。本定例会に関係経費を計上しましたのでご審議をよろしくお願いします。

《固定資産税について》
 5月2日の臨時議会で報告してありますが、市内に商業施設を有する事業者から仙北市固定資産税過誤納金取扱要綱に基づき、更に5年分の返還を求められています。
 この対応では、事業者からの申出理由である要綱第3条第1項第4号「課税事務上の誤りで市長が特に認めるもの」に該当するか否か、顧問弁護士と検討を行うなどして内部協議を行ってきました。その結果、要綱の目的として定めている「納税者の不利益を補填するとともに市政に対する信頼回復を図り、もって公正な市政運営に資する」により、更に5年の還付が妥当と判断しました。関連の補正予算を本定例会へ計上しています。ご審議をよろしくお願いします。
 また、類似の家屋について同様の課税誤りがないか確認作業を進めています。現段階では、平成8年から10年までに建築された非木造家屋の一部について課税誤りの可能性が確認されています。課税誤りの内容などを確定した後、速やかに議会に報告します。
 なお、内容の確定作業に実務経験職員の増員が必要と判断し、6月1日付けで5人の職員に対し、税務課への兼務及び併任辞令を発令し、体制を強化しました。

※写真は角館庁舎

かくのだて幼稚園が創立60周年

第9回オープントーナメント武心会・第7回東北ウエイト制ジュニア実践空手道選手権大会の開会式を後に、かくのだて幼稚園創立60周年記念式典・祝賀会に参加。60年…、戦後の混乱が一段落して間もなく(昭和28年設立)から、幼児教育に私学の立場で取り組みを始めた先見性に心から敬意を表します。

 式典も堅苦しくなく、皆川トオルwith Friendsのジャズ・ライブやシン・チーさん等のオペラ・ライブなど、卒業生も父兄も大喜びの企画でイッパイでした。何より園児たちが、演奏に合わせての大合唱で、本当に楽しんでいました。
 大いに盛り上がった会でしたが、周囲のお話しを聞くと、皆川トオルさんのライブでピアノを演奏している斉藤華子さんが、村野園長先生のお子様のお嫁さんなんだそうで、これもご縁です。さらにシン・チーさんは仙北市民歌を作曲した矢野立美さんがお声をかけてくれたとかで、さすが60年のネットワークです。

 十分に音楽を楽しんだのに、欲張って大仙市中仙のドンパルへ。ここでは角館高校の吹奏楽部が定期演奏会を開催しています。第1部ではOBと一緒に校歌の演奏があったのですが(演奏に誘われていたのですが)、間に合いませんでした。残念。続く第2部の「オズの魔法使い」(本格的な音楽劇でした)に大感動して、また別会場へと移動しました。スポーツと芸術のエネルギーを充填できた1日でした。

※この記事が、な、なんと「みんな元気にな~れ日記」で1000回目のアップでした。皆様にご愛読いただき通算アクセス数23万件を超えています。ご支援に心から感謝を申し上げます。

2013年6月1日土曜日

自宅で看取るということ

写真は田沢湖病院を会場に開催された「たざわこ健康まつり」(共催:地域社会振興財団 後援:自治医科大学)で、今日の午後に開かれた在宅医療シンポジウムの様子。西明寺診療所の市川晋一医師の司会で、あすみのクリニック(岩手県滝沢村)の斉藤宏之院長、田沢湖病院医師の鈴木直志さん、同病院で訪問看護士の藤原明美さん、仙北市社会福祉協議会でケアマネージャーの辻文子さん、それに祖母を自宅で看取った古山和子さんなどが、本当に素晴らしいお話をしてくれました。

 古山さんのお話の題名は「自宅で看取るということ」。平成22年に田沢湖病院へ3度目の入院をした祖母のツヨさん(96歳)を、ツヨさん本人の希望で自宅で看護。訪問看護や訪問介護に助けられながら、平成23年の4月、看取ることができたと報告。「周囲の協力があったからできたこと。まだ自分が若くて老々介護ではなかったこと、介護サービスを可能な限り活用できたことなどが幸運だった」と話していました。

 さて健康まつりは、田沢湖病院が平成15年6月に新病院として竣工したことを記念しての開催です。同病院は新築後、医師不足などで平成18年には救急指定病院の告知を取り下げました。現在は夕暮れ診療(毎週火曜日・木曜日)などで地域住民の要望に応えようと頑張っています。現状では常勤医師3名、その他は秋田大学・岩手医科大学・県立脳血管研究センター・秋田赤十字病院などからの応援医師です。多くの皆さんの協力で今日を迎えています。何より地域の皆さんの病院を思う気持ち、これが力だと確信できたイベントでした。地域の健康と医療を思う皆さんや各種の機関、そして病院が共に汗を流せば、課題解決の良い手法はきっと見つかります。